人気のある品は抽選だったりジャンケンだったりするのだけれど、おばさん連中の勢いが悪鬼のごとく凄まじさで、ぐったり疲れた。新品の綿布を何巻かと、竹の長い物差し、屋久杉の箱などの日用品をタダ同然で手に入れたのはいいけれど、あの邪悪な空間は精神衛生上よろしくない。
夕方、落雷のために停電した。強制的に静かな時間がやってくるので、停電は嫌いではない。
雷は稲妻とも言うわけだが、稲の穂に実、つまり種がつく季節が雷の季節とかぶるための、日本の詩的な世界観であろう。我が田んぼにも青い穂が見られるようになってきた。空と大地はつつがなく婚姻を済ませ、稲という子を授かる。

そんな自然の営みを、大スペクタクルな性行為としてなぞらえるのは、インド世界っぽくもあるな。