2005年09月21日

読書

腰痛で寝込んでからというもの、時間潰しの肴はテレビ観るか、CD聴くか、本を読むかぐらいなのだが、特に本はここ数年で最もよく読んでいるこの頃だ。普段も読んだらいいのだけど、なかなか落ち着いてページをめくる時間もないし、半分くらい読んで時間が経ってしまうと続きの世界に入りづらくなってしまう。大体、夜はかなりの頻度で晩酌をするので読書どころじゃないのだ。

自慢げな文体のやつとか、やたらと前向きな著者はあまり好まないので、どうしても内省的なのやブルーな匂いのする作家を選んでしまう。そういう風情の自伝的な私小説は好きなのだが続けて読んでいるとさすがに気が滅入ってくる。不健康なのでなおさら。yagwy氏が送ってくれた映画を鑑賞しつつ、織り交ぜて楽しんでいる。今週は中島らもとリリーフランキーを読んだ。彼らの小説が暗いというわけではないかもしれないが、自分がそういう気分になるのだ。ああ、オレもそうだなぁ的な。

起きあがれないので、本は大方アマゾンで購入する。本を通販で買うという行為はかなり難しい。インターネットの普及で通信販売ってものがかなり大きな存在になっている昨今だが、他の商材に比べても買い物がしにくい。立ち読みで数ページ読んでみる、まではいかないにしても、挿し絵の感じや、フォントにどんなのを使ってるかなど、読書気分を左右する事柄が結構大事だから購入前にチェックしたいのだ。装丁によっては本自体の重さも気になる。寝っ転がって読むから。

もっともデジタルデータに近いと思われたテキストだが、意外にもその現物そのものの質感が読書という行為に与える影響は大きい。気持ちよく読書できるかというだけでなく、本の内容に関する印象までも変わってくる。それにしても、アマゾンは書店でぶらぶらしながら本を選ぶっていう難しい課題を、まあ健闘してると思うな。


昨日、カミさんが近所のスーパーで私が好きなシュークリームを見つけたが、私が甘いものを控えてるから買わなかったよと言った。むつうでそう言われていたのだ。たまにしか見かけないので、いつでもあるわけではないそのシュークリームは、カスタードと生クリームとが入っており、五個で300円くらいと、どっちかと言えばジャンクな部類のデザートだ。スイーツとは言いにくい。ただ、そのクリーム感のあるシューをばくばく食うとストレス発散になってスカっとするのが好きで見かければ買っていた。昨夜はそう、我慢なんだと思って「よくやった」くらいに買わないでくれたことに感謝していたが、今日になって無性に食いたくなり、我慢できずに一人で買いにでかけた。寝込んでからの私にしてはスーパーは遠出だ。行くと、折角歩いて来たのにすでにそれは無かった。仕方ないので、普通のシューと、これも止められているのだが牛乳を買った。帰り際に出口の辺りに旨そうなトマトがあったが、これも止められてる食材だ。


夕方になって映画「故郷の香り(暖)」をDVDで観た。中国の田舎出の若者が10年ぶりに帰郷し、そこで初恋の人と再会する。お互い既に結婚し子供もいる間柄だったが、主人公は出会った頃を思い出す。迎えに戻ると約束をして大学入学の為に街へ出たが叶わなかった。田畑と村を流れる川、湿った霧に被われる描写や収穫の風景など奥行き感のある映像が美しい。人物の表現は激しい感情というよりシンプルなキャラクターが持続する静かな動き。時間軸が長く流れるのでもう少し変化があると面白かった。
posted by abesin at 16:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 旧ひとるごちる
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