途中、安房のたなか屋の前でDちゃんが屋台を出していたので寄らせてもらう。ケバブサンドの肉の部分を屋久島名物のサバ節に置き換えたオリジナルのドネルサンド。ソースもサバに合うように工夫されていて、通りかかってやっていると、つい引き寄せられてしまう味。

フォルクローレを聴くのは何十年ぶりであろうか。小学生のときに東京は新大久保で開講されていたサンポーニャ教室に通っていたのだけれど、そのとき以来かな。

大人になってから聞いてみると、これはなかなか不思議な音楽だ。旋律は稲っぽいのにリズムは肉食のそれである。
近いルーツのモンゴロイドの音楽だから、懐かしい響きがするのは当然のこととして、違う土と空気で育っている感触もちゃんとある。ケーナは尺八と近い構造の楽器だけれど、ビブラートのかけ方とか2本のケーナでハモるスタイルとか、やっぱり外国なのである。
ハイショウという、正倉院にも収蔵されているサンポーニャに似た楽器も吹いていた。見た目は近いのだが、篠笛のようにまとまり感のある透き通った倍音が日本の楽器っぽい。
ライブ中盤に、「Llaqui runa」という曲を演奏した。この曲は自分のオリジナルの鼻歌だと思ってときどきフンフンしていたのだけれど、オリジナルじゃなかったことが判明、というか20年の時を越えて思い出した。危ないところである。タグを付け間違えたり、レコードでいうところの隣の溝と混ざって収納していることがよくある我が脳みそ。