2013年06月10日

笛のキー

文化の違いではあるのだけれど、同じようなエアリードの笛でもキーの表し方は地域によって異なる。

西洋の楽器はタンポを使ったメカニズムがあるから、左手中指だけ押さえた形を基音にしてその楽器のキーとしているが、同じ筒音でもケーナや篠笛は西洋楽器でいうレの音の押さえ方がキーになる。

かたや、インドのバンスリやタイのクルイは左手の三本の指で押さえた形を基音にしてキーと呼んでいる。その楽器のキーと言われるスケールを吹こうとするとWがフラットせねばならない。実際の運指はVがシャープするような感覚だが。つまりバンスリで言うGはフルートだとDになり、篠笛だと十本調子、ケーナもDだが運指が長2度分ズレるということになる。

トラディショナルな楽器は、現代の西洋楽器のように便利な機能が無いから、一本であらゆるキーの楽曲を吹くのは難しい。だからブルースハープのように数本を持ち替えることが少なくないわけだが、楽器によってルートとされる位置が違うから頭が混乱してくる。

学生時代は鉛筆と譜面でもってこんなことを常々考えていたものだけれど、そんな脳の使い方をしなくなって久しい。知恵熱が出そうである。
 
posted by abesin at 23:59| Comment(0) | 未分類
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