2011年07月22日

情報わらしべ長者

よくお世話になる宿にまた顔を出してみた。夏休みに入って、ご主人も奥さんも忙しそうだったが、いつも通りコーヒーを豆から淹れ、迎えてくれた。

家探しに苦心している話をすると、すぐに友人に電話をしてくれた。どうも脈がありそうだったので、外観だけでもと現地を案内してくれる。大変ありがたい。そのご友人には午後に会いに行くことにする。


経済の中央からは離れても、情報は常に最新のものが欲しいし、発信もしたい。なので、島のインターネット事情を聞きにNTTへ。屋久島はいまだADSLしか来ていないので、回線速度は基地局との距離が関係するため、すべての基地局を教えてもらった。

それを見越していたわけではないが、基地局の位置から島の各所の雰囲気が伝わってきた。インターネットを必要とするような、オレらと近い層が住んでいそうな場所が見える。ここの担当も親切であった。

人から人へ辿っていくと、どうも南東岸の尾の間あたりの雰囲気が良さそうだ。移住者も多く、南向きの畑は扱いやすそう。島の北部とは冬場の平均気温が6度も暖かいらしいというのは朗報だ。

カミさんは人から人へ、情報のわらしべ長者だ、と言った。


夜は島いちばんの繁華街、宮之浦川から一本入った通りのバーへ行ってみる。調べた限り、バーと名のつく店はここ限り。

ここでは屋久島電工の面白い話を聞けた。昭和20年、島の高低差と雨量を活かして水力発電を導入、他の離島に比べ早い時期に電化した。そしてそこから生まれる電力を利用し、製造に多量の電力を必要とする炭化ケイ素の製造を開始した。

工場の煙突からは工程で発生する粉塵が飛ぶようになるが、屋久島電工での雇用により人口の流失が防げた側面もあるため、一様に工場の存在を否定できない島民も多い。

工場で余った電力は、自治体や農協を通じて各家庭に売電されている。自治体が売電を行っているのは全国でここだけ。それはこういった経緯があったからなんだな。

自治体の管理では、電圧の不安定さや停電などの問題もあり、北部では九州電力の管轄になっているところもあるが、収益性が高い売電事業は権利関係を整理するのは簡単ではないようだ。

そういった意味では、抱えてる問題は都会も離島も同じだね。
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2011年07月21日

島をぐるり一周

本家でクルマを借り、島を一周した。うろ覚えだが国道をぐるり廻ると100キロくらいあったはず。


西部林道もワイルドで面白いんだが、安房から平内あたりまでの一帯は、ゆるーく暮らしてる雰囲気があって良い。

沿道にはガジュマルやバナナなどの熱帯を思わせる植生が増え、ギャラリーやら工房なんて看板が目につくようになる。裏が畑になっている個性的なカフェは週四日しかも午後だけの営業だったりする。


南東岸から望むモッチョム岳

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ハウス栽培のマンゴーや、パイナップルは特産品として有名だが、この辺りの段々畑ではそれに加えて稲を作っているのも見かけた。黄金色の稲穂が青い海に映える。


しかし、島はガソリンが高い。レギュラーがリッターあたり167円もした。
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2011年07月20日

三岳を忘れてた

屋久島なは来たのに、三岳を飲んでいなかったので買ってきた。このしっとりした空気の中で飲むのがいちばん旨いな。グラスがちょいとサバ節くさいのはしくじりだ。


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昨日は家探しに苦戦しそうってのを書いたけど、余所者が住む家を手に入れるには、借りるにせよ買うにせよ、お金が絡むのは間違いない。会う人みんなにクルマは必須と言われるが、それもだいぶ金が絡む話だ。

誰かが誰かの都合で勝手にでっち上げた貨幣経済と決別したくて、こっちで家探しをしてるんだけれど、お金と全く無縁とはいかないのは分かってはいた。必要最低限なラインを目指すとしても、接する量だけでなく、対する質も要検討なんだな。

でないと、幸福度を測る物差しの再構成にならない。ただの節約生活ゲームになっちゃうね。


しかし、今のところ近い考えの仲間が近辺にいないのは辛いな。都会のように、器だけ既存の形式で人に頼って用意して、中身は個人で自由にするってのが難しい。選択肢が少ないから、器を探す時点である程度分かって貰えてないとならない。

暮らすって、土地とではなくて人間と、なんだな。
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2011年07月19日

家がない

カミさんが仕事関係の人を紹介してもらうというので、のこのこついて行く。

いかにも仕事ができそうなお姉様に「ダンナさんは無農薬で自給自足やりたいんでしょう」と言われる。長髪で髭で首からタオルならそう見えるのかもしれないし、ほぼ当たってるのだけれど、なんだか野人が来たぞって印象なんだな。どっちかといったらインドア派もやしっ子流な筈なんだけど。


それから賃貸アパートの空きがあるというので見せてもらう。賃貸物件はそもそも件数が少なく、都会のように空けておくと勿体無いという感覚がないので、完全に売り手市場のようだ。

しかもまともな物件はほとんどが不動産屋を通さずに人づてで流通してしまうので、漁師と知り合いじゃないと食べられない深海魚のような状態。

で、見せてもらった部屋は、なんだか西武新宿線徒歩8分11万円2DKって感じの物件で、内容としては不足はないんだけどいまいちテンションは上がらないのであった。まる。
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2011年07月18日

台風の日は家で

いま居るこの屋久島の東側を台風6号が通過していく。

島の西側を通過するよりも、風はまだマシだという。台風の進行方向とうねる向きが同じになるからだ。それでも厚い雲が重く速く流れ、海上には白い波がたっている。庭のバナナの葉が激しく揺れた。

そんな日は、本家リビングのパッションフルーツ加工工場で、いちにち箱詰め作業をする。おばちゃんが選り分け、おじちゃんが磨き、オレはウレタンのキャップを一個づつはめて、カミさんはシールを貼った。

こんな手作業で流れ作業をしていると、手売り音源をCD-Rで焼いて作ってたのを思い出す。大人数でやれば楽しいけど、一人で徹夜作業ってのは辛かったな。恨みの盤面プリントだわ。
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2011年07月17日

すげえの秘訣

今日は二度目のパッション収穫。慣れるどころか筋肉痛が蓄積して脚にくる。本家の御主人は90歳を越えてなおコレやってんのか、すげえ。

さらに収穫したパッションを選り分けて箱詰めするのを手伝う。只飯食いの木偶の棒じゃいられない。加工工場は本家のリビング。家内制手工業の共同作業が楽しい。

箱に同梱するチラシが足りなくなったので、御主人と事務所へプリントしに行く。ここでは、最近コンピュータに投資して新調したたばかりという。90歳を越えてなお新しいシステムを覚えるのか、すげえ。

年齢を感じさせないその秘訣は、好奇心なのか、野望なのか。世代な壁を幾重にも感じる。案外、山の光脈筋だったりして。
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2011年07月16日

若隠居

昨日の農作業で、一晩寝ても身体がギシギシいっている。作業中に直立できない、ハウスものは辛いな。

今日は畑に行かないようだし、台所にいると男がそげんこつすっでないって怒られるので、日がな空を眺めて過ごす。隠居みたい。
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2011年07月15日

パッションの収穫

カミさんの仕事場になりそうなところを幾つか廻る。

贅沢を言わなければなんとかなりそうと言う。免許があれば申し分ないのだそうだが、だからといってたかだか仕事のために、わざわざ取るのは何かが違うだろう。

夕方、本家の畑へパッションフルーツを収する手伝いに行く。畑の中は蔦がアーチ状に低く連なっており、まっすぐ立ち上がれない。腰を屈めて落ちた果実を拾っていくのだが、これが想像以上に辛い。

今は収穫の最盛期らしく、軽トラの荷台に山盛りになった。母屋へ運び込むと、部屋いっぱいに甘酸っぱい香りが満ちた。
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2011年07月14日

雨の結界

目が覚めると、フェリーは朝焼けの中に種子島を出港するところだった。

ここからはあと二時間半の航海。

屋久島の島影が見えるころ、空には虹がかかった。島に近づくにつれ、虹は濃くなり、二重になり、歓迎してくれているかのようだ。種子島で殆ど下船してしまい少なくなっていた客は皆、甲板へ出てカメラを構える。


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島の圏内へ入ると、虹は消えて土砂降りになった。海上はすこんと晴れているのに島の上空だけ厚い雲がかかっている。島の峰が急激にそそり立っているのでそこに雲を蓄えるからだ。箱庭で気象実験を見ているかのようなダイナミックな光景である。

雨の島に来るというのに傘もカッパも持っていなかったので、着岸してから暫く待合室で雨宿り。他にも数人の貧乏旅行者が(そもそも貧乏旅行者しか乗らない船だ)雨やみを待っていたが、だれも焦れた様子はない。

いつもお世話になっている宿、晴耕雨読へ顔を出すと、奥さんがコーヒーを淹れてくれた。島の仕事や家の話になると、あそこは誰それさんが〜なんて、台帳を繰りながら話しているかのように顔が繋がっている。
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2011年07月13日

行程一泊

朝7時の便で鹿児島へ。

スカイネットアジアはソラシドエアってヘンな名前になっていた。キャッチの空から幸せの種を蒔くとか超ウケるんですけど。

鹿児島空港から谷山港まではバスが廃止になっており、終点からフェリー乗り場まで炎天下を徒歩40分。いいぞ、貧乏旅行らしくなってきたぞ。

フェリーはいびすかすは貨物船についでにヒトを乗せる感覚。乗船するとき見てたら、他の客はほぼバイクかチャリer。

無事にチケットを買い、近くの道の駅的なスポットで昼飯。焼きそばと白飯って組み合わせの弁当が多いのは何かい。

まんまと買ってみたら太麺にドミグラスぽいソースで旨い焼きそばだった。鹿児島には家系焼きそばってのもあるらしいね。

18時出港。桜島には雲がかかっている。

21時40分に種子島に入港。ともづなを岸に発射して巻き上げたり、油圧の隔壁を下ろしたり、着岸作業に暫し見入る。

今日は船室泊で、明日の朝は屋久島だ。
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