昨年亡くなった、義理の叔父の墓参りに、苔のメッカ、杉のバラナシ、雨のエルサレム、屋久島へ行ってきた。
この島がなにより素敵なのは、朝、目が覚めたら、深い森が一晩かけてついたため息を肺の奥まで躊躇なく満たすことができる、こと。
6月の屋久島なんて、雨ばかりかと思ったら、ほとんど毎日が快晴。
むしろ暖かい雨を期待して行ったのに。本家の畑も、少ない雨に困っている様子。これも異常気象の一端かな。
雨を見ながら、軒先でまったりしようと思ってたのに、晴れたら欲が出て屋久杉ランドへ。糞ネズミーマウスも、ジェットプールもないけど、まあランドだ。鹿はわんさかいる。
行く先々で、来月の皆既日食の話が出る。観光で島が潤うのは良いが、海も山も、微妙なバランスで成り立ってるその均衡を、押し寄せるそのとき限りの観光客に崩されないと良いと思う。
時期こそずれているが、私もその一人に違いはないのだけれど。奥岳(屋久島中央部の1800m級の山岳地帯)では、登山客の屎尿を、ボランティアが背中に担いでふもとまで下ろす。
ユネスコの自然遺産に指定されてる区域で、観光客の立ち入りができるのは屋久島だけだそうだ。男の仕事が少ない経済状況の島で、収入と保全との天秤は今日も揺れているようだった。
それにしても、飛行機を乗り継いで国内を旅するのは、せわしない。次回はせめて鹿児島からは船を利用したいものだ。それなら例え船室が臭くてもよい。